フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜 レビュー

プレイステーション4(PS4) フィリスのアトリエ 〜不思議な旅の錬金術士〜レビュー・感想のページです。
公式サイト(音量注意。)
発売日:2016年11月2日
対象年齢:B(12才以上対象)
コンテンツアイコン:セクシャル
評価:☆☆☆
レビュー掲載日:2019年12月9日

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アトリエシリーズの18作目であり、不思議シリーズの二作目。
タイトルにもある通り「旅」がテーマで、移動できるフィールドがシリーズの中でトップクラスの広さになっています。
アトリエもテント型になっており、旅先にあるたき火でテントをはって調合が可能。
舞台は前作のソフィーのアトリエから4年後。

ストーリーは地底の鉱石の町エルトナで暮らしていた少女フィリスは町を出て旅に出るという夢を持っていたが、
両親からは何の力も持っていない普通の少女であるフィリスが旅をする事は危険すぎると反対されており、外に出る事は敵わない願いだった。
ある日、旅の錬金術士のソフィーとプラフタがエルトナを訪れ、フィリスは錬金術の存在を知る。
錬金術を覚えれば自分でも旅に出る事が出来ると思ったフィリスはソフィーに弟子入りし、錬金術を学び始める。
その姿を見た長老ベルントから「一年で錬金術士公認試験に合格できるほどの錬金術士になる」事を条件に一年の間、外の世界に出る事を許可される。
フィリスは錬金術士公認試験の合格を目指し、錬金術の腕を磨きながら試験会場のあるライゼンベルグへ向かう。

本作はまず一年後に行われる錬金術士公認試験の合格が目的となり、一年間の間に実力をつけて試験に合格する必要があります。
試験合格までに見れるバッドエンディングの種類が三種類と地味に多い(旅立ち失敗、期限切れ、試験不合格。)ですが試験不合格エンド以外はギャグで済まされます。
試験合格後は時間制限がなくなり、フィリスが「わたしのやりたいこと」を探す旅に出る事が出来る様になります。
その後はエンディングの条件を一つでも満たせばエルトナの扉に戻る事で、どのエンディングを迎えるか選択する事が出来ます。
今作は有料追加キャラクターのハインツとシャノンのエンディングもあります。

内容は終始、旅を通じてフィリスが成長する姿を描いています。
様々な場所へ行き、旅を楽しむフィリスの姿はまさに不思議な旅の錬金術士。
舞台の世界が広くなったため、登場人物の数も増加しています。
前作からのキャラクターはソフィー、プラフタ、オスカー、フリッツ、パメラ、ロジー、メクレット&アトミナが引き続き登場。
人形のみですがコルネリア、有料キャラのシャノンのイベントでジュリオも登場。
引き続き戦闘メンバーに加わるのはソフィー、プラフタ、オスカーのみ。
ロジーに続き、エスカ&ロジーのアトリエシャリーのアトリエ Plusに登場したエスカが登場しますが、黄昏シリーズのエスカとは別人の設定です。

音楽は安定のガストクリティ。

セーブ時間は早い。ロード時間はフィールドが広くなった影響で少し遅くなってしまいました。

難易度は推薦状を三枚集めてライゼンベルグにたどり着き、試験の受付を済ませるまでは難しくありません。
時間制限ありですが、ライゼンベルグにたどり着くまではのんびりやっても100日くらいは余裕があるので慌てる必要はありません。
試験が行われるのは残り0日になった日であり、むしろ焦って受付を早く済ませてしまった方が不利になってしまいます。
念のため、ライゼンベルグで試験の受付を済ませる前のデータを残しておいた方が良いです。
最初の錬金術士公認試験は約50点を取れば合格できるので敷居自体はそれほど高くありませんが、
最初の筆記試験が難しい問題も結構あり、二つの実戦試験の審査の判定もわかりにくいので悩みどころ。

試験さえ合格できればあとは完全に自由行動になりますが、
リアーネのイベントを進めると多くのイベントが発生しなくなると言う罠があるので注意が必要。
戦闘難易度もメニューが開ける時にいつでも変更可能なので、最悪イージーにすれば何とかなります。
本作は周回プレイが復活したので、一周目でできるだけ良い装備品を作って起きたい所です。

難点は前作よりアイテムのレシピ発想方法のヒントが少なく、条件自体も厳しい物が存在し、どうすれば思いつくのか自力では気付きにくいアイテムが多い事。
さすがにこれは不親切。この時点でかなり敷居を上げている気がします。
アイテムの熟練度、サブ武器の存在もあり、本作は従来のアトリエシリーズより遥かに多くのアイテムを作らないといけないので、量販店が廃止されたのは辛い。
おかげで本作は後半になるとお金が余りがちになります。
リアーネ、ソフィー、プラフタ以外のメンバーは三人までしか連れていけないのも厄介。
そのため、仲間のレベルや友好度が上げにくくなっています。特定の組み合わせで発生するイベントが見辛くなっているのも問題。

本作は旅がテーマのためフィールドが広くなっており、そのおかげで旅の気分が味わえて良いのですが、
さすがに試験合格後は素材集めのために何度も広いフィールドを探索しないといけないため、移動が面倒になってきます。
マップが広くなった影響で素材がどこにあるのかわかりにくい所が結構あり、
町で店のある場所にはショートカットできますが、行商人のいる場所にはいけないのも困る。
やはり、広いフィールドは同じ場所で何度も素材集めをしないといけないアトリエシリーズとは相性が良くない。
メクレット&アトミナのイベントを進めて空飛ぶ船を作れば従来のワールドマップ移動が出来る様になるのでそれまでは辛抱。

また、移動中はLPが減っていきますが、回復手段がアトリエで休むか調合するかのどちらかしかありません。
前作ではLPを回復できた食事系アイテムも本作ではHP・MP回復アイテムに変更されており、アイテムでの回復は不可能。そこまでLPを回復させたくないのだろうか。
終盤ではたき火がない場所もあるので、LP切れになって行き倒れにならないかどうかひやひやします。
やはり不評だったのか、次回作のリディー&スールのアトリエではLPは完全に廃止されています。

普段はあまり気にしないのですが世界が広くなり、登場人物が増えた影響なのか、キャラクターの3Dモデルの質が落ちています。
主人公のフィリスの時点で違和感を感じる部分があるのはまずい。他にも動きのおかしいキャラクターが存在します。
一番気になったのは前作主人公のソフィー。戦闘の勝利ポーズで毎回、服に手がめり込む始末。
そもそもイラストでは成長を感じられるのに、3Dモデルだとあまり成長を感じられない。
ソフィーの場合、同じ前作キャラのオスカーが成長した姿を見せているのが原因で、余計に気になってしまうのもあります。
次回作のソフィーは3Dモデルでも成長が感じられる様になりましたが、戦闘の勝利ポーズで服に手がめり込むのは変わりなし。なぜだ。

本作のシナリオはこの広いフィールドがなければ出来なかったのは確かであり、その点は良かったです。
ですが、その広い世界のせいで犠牲になっている部分があるのも事実。
また、レシピ発想システムと不親切さとアイテム熟練度システムの面倒臭さはかなり致命的。
この世界の広さはフィリスの物語だからこそ許されたものなので、さすがに今後はこのシステムで行くのはやめた方が良いと思います…。

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