リディー&スールのアトリエ 〜不思議な絵画の錬金術士〜 レビュー
プレイステーション4(PS4) リディー&スールのアトリエ 〜不思議な絵画の錬金術士〜レビュー・感想のページです。
公式サイト(音量注意。) 発売日:2017年12月21日 対象年齢:B(12才以上対象) コンテンツアイコン:セクシャル 評価:☆☆☆☆ レビュー掲載日:2019年12月9日 【攻略サイトリンク】 攻略の缶詰 ゲームとかやろうか リディー&スールのアトリエ 攻略 Wiki |
アトリエシリーズ20年記念作品。アトリエシリーズの19作目であり、不思議シリーズの三作目にして完結作。
主人公はリティーとスールの姉妹ですが主人公選択式ではなく、二人の視点で物語が描かれます。(どちらを操作するかはアトリエで変更可能。)
フィールドの広さはソフィーのアトリエと同じくらいに戻っています。時間制限も一部を除いて廃止されました。
戦闘システムは最大六人が前衛と後衛の二人一組となって戦うコンビネーションバトルに変更。
戦闘メンバーはちょうど六人(有料キャラのルーシャとイルメリアを加えると八人。)なので、事実上全員でバトルを行う事になります。
舞台は前作のフィリスのアトリエから4年後、ソフィーのアトリエから8年後になります。
ストーリーはアダレット王国の首都メルヴェイユのアトリエで錬金術士の父親であるロジェの手伝いをしながら過ごしていた双子の姉妹リディとスール。
二人には今は亡き母オネットに誓った「家族で国一番のアトリエになる」という夢があったが、まだ未熟な二人には到底かなわない夢だった。
ある日、家の地下室から聞こえた声が気になったリディーはスールと共に父親から絶対に入ってはいけないと言われていた地下室に入る。
そこにあったのは一枚の絵。二人は突然その絵の中の世界へ引き込まれてしまう。
この日から二人の不思議な絵画の世界の旅と国一番のアトリエになるという夢への第一歩が始まった。
本作は舞台が従来のアトリエシリーズと同じくらいの広さに戻ったため、登場人物の数は前作より少なくなりましたが、
その分、一人一人のイベントの数が多くなり、内容も濃くなっています。
ただ、変な方向に話を持って行ってしまうイベントもあるので全て良いとは言えません。
特にシスコンぶりが悪化したリアーネ、フィリスへの感情が変な方向に行き始めているイルメリア。
(フォローしておきますがリアーネは面倒見の良さや父親の話、イルメリアは双子の師匠として活躍しているのでそちらの方が目立ちます。)
演出面も上がり、イベント中に背景が変化したりキャラクターに特殊な演出が出る様になり、それがよりイベントを印象深い物にしています。
前作で問題のあったキャラクターの3Dモデルも大分改善されています。
相変らず戦闘の勝利ポーズで手が服にめり込むソフィー、後ろ姿で髪の毛が変な動きをするフリッツなど問題のある部分もありますが。
前作からのキャラクターはソフィー、プラフタ、フィリス、リアーネ、イルメリア、フリッツ、ドロッセル、パメラとあと数人が続投。
ソフィーのアトリエからコルネリアが復帰し(同時に量販店も復活。)、アトリエシリーズの名物キャラクターである武器屋の親父ハゲルが不思議シリーズに初登場。
そのため、同じアトリエシリーズ名物キャラクターのパメラと不思議シリーズ設定では初共演を果たす事に。
戦闘メンバーとして使用できるのはソフィーとフィリスの二人(有料のイルメリアを含めると三人。)のみ。
内容は前半は仲間達との出会いとメルヴェイユ周辺で起きている異変に立ち向かう事、後半は双子とロジェ、オネットの一家に重点を当てた話になります。
全体を通してタイトルにもある「不思議な絵画」がシナリオに関わっており、不思議シリーズの中で一番不思議な世界観になっています。
トゥルーエンドへ繋がる話はオープニングテーマの「クローマ」の歌詞の通り、奇跡さえ追い越したその先へ向かう双子の姿が描かれます。
過去の不思議シリーズからのエピソードもコルネリアの父親の行方、フリッツ一家の和解の人形劇、ソフィーの夢の一つの結末が語られ、
さらにソフィーのアトリエから通して登場している人物の一人の心境が明確に語られる場面も一作目からプレイしてきたプレイヤーには感慨深い。
エンディングは本作もマルチエンド。エンディング前に条件を満たしているエンディングの選択肢が出現します。
ただし、トゥルーエンドの条件を満たすアイテムを制作していると選択肢が出現せずにトゥルーエンド固定になるという罠があるので注意。
そのアイテムを捨てればまた選択肢が出現しますが、アイテムの製作難易度とアイテム制作に至るまでの流れを考えると捨てるのはあまりよろしくない。
アイテム制作前のセーブデータを別に取っておくのが賢明でしょう。
音楽はいつも通り安定のガストクオリティ。
本作のオープニングテーマの「クローマ」は「キャンバス」と「ペインティング」という二つの曲を同時再生したものという特殊な曲になっており、
本作の曲の殆どはこの二曲をアレンジしたものが多いです。
セーブ、ロード時間は早い。ただ、レシピノートを開く時と一部の絵画の世界で少しだけ読み込むのがちょっと気になる。
本作は戦闘メンバーの中で純粋な前衛キャラクターはマティアスのみで、他は全員錬金術士という極端な編成になっており、
マティアスと錬金術士の中では防御面が強いソフィー以外は耐久力に難を抱えています。そのため、戦闘の難易度は上昇。
錬金術士と言っても従来通りにアイテムを使って攻撃するのが得意なのはリディーとソフィーくらいで、
全キャラ中屈指のスピードアタッカーのスール、フォロースキルの攻撃力が非常に高いフィリス、装備効力によって数値以上の火力を出せるアルトと個性派ぞろい。
過去の不思議シリーズ同様、メニューが開けるなら難易度は変更可能。普通にクリアするだけならノーマルでも十分クリア可能です。
一方で調合の難易度は分かりやすい物になったため普通にクリアするだけなら低下。やり込むとなると話は別になりますが。
ランクアップ試験はできる限り花丸クリアを目指す必要がありますが、どの程度の成績かは報告する時に表示される達成度ゲージを見ればわかるようになっています。
レシピ発想も条件がわかりやすくなり、野望ノートで次は何をすればいいのかもわかるため、どうすればいいのかわからないという事はありません。(一部を除いて。)
野望ノートは先に進むだけなら一部だけをこなせば良いので、少なくとも完全に詰まる事はないはず。
なお、9話のランクアップ試験だけは30日の時間制限付きですが、難易度は非常に低いので失敗する方が難しい。
難点はショートカット機能が大幅に使いやすくなり、採取地のどこにいてもすぐにアトリエに帰れるようになりましたが、
その代償として今いる場所の全体マップが見れなくなってしまった事。(ミニマップはある。)一つのマップ自体は広くないとはいえこれは普通に不便。
前作までより時間の経過する速度が遅く、討伐依頼で特定の時間帯のみ出てくる敵を倒しに行く時に現地で時間を待つのは非常に効率が悪くなっています。
目的地選択時に到着する時間帯はわかるので、事前にちゃんと確認しないと余計な時間を取られてしまうので注意。
このせいで特定の時間帯に聞くことのできる台詞を聞くのが難しくなっているのも地味に問題だったりします。
本作の友好度は前二作と違い、特定のイベントをクリアしないと決まった数値までしか上がらないという仕様がなくなり、
最初から100まで上がるようになりましたがその分、上がる速度が非常に遅いです。
友好度を上げるとキャラ固有のスキルとコンビネーションアーツを習得していくシステムになっているので、この仕様変更は地味に痛い。
特にアルトはイベントが後半に回されている影響で上がりにくく、最後に仲間になるソフィーの方がいつの間にか友好度が上回っている事も。
ダウンロードコンテンツの値段が前作以上に高い価額になっているのも問題。
ルーシャとイルメリアをどちらか一人購入するだけで1000以上かかるのはさすがにまずい。二人だと2000円以上。
本作は移動速度が遅くなっているので、移動速度上昇のアイテムが作成できる「探索者たちの口伝集」だけは購入した方がいいかも。
他は単純にクリアするだけならいりませんが、やり込むとなるとレシピ追加とクラーデル平原はほぼ必須。
シナリオも不思議な錬金術士達の物語が綺麗に完結していて不思議シリーズとして無事に大団円を迎えており、
システム面も前作よりだいぶ遊びやすくなっているので、アトリエシリーズとしても成功していると言えるのではないでしょうか。
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